第2回フレッシュホップフェスト2017

日本のホップ生産者とビールのつくり手、
そして飲む人を繋いでいきたい!

フレッシュホップフェストは、今年収穫した国産ホップでつくったビールを楽しむお祭りです。
昨年行われたイベントでは、19のブルワリーと22のビアバーが参加しました。

2017.7.15ホップとは?

【ホップ講座】02_ホップの歴史

今回はホップがいつからビールに使われ始めたのかというお話。

前回書いた通り、ホップはビール以外にほとんど使用用途のない植物です。また、現在のビールからしても、ホップの代わりになるような植物はありません。

しかし、もともとビールにホップが使われていたというわけではなく、ホップが使われる前は「グルート」と呼ばれる複数のハーブ類を調合したものが使われていました。そのハーブ類の中にホップが入っていたこともあったようですが、ホップが単独で使われるようになったのはいつからなのか定かではありません。

新バビロニア王国のネブカドネザル2世の頃にはホップを使ったビールがあったという説や、7、8世紀にヨーロッパでホップ栽培の記録がありその頃から使っていたのではないかという説、11、12世紀頃ではないかという説もあります。

ただ、少なくとも11、12世紀頃にはホップがある程度使われていたというのは確かなようです。それを裏付ける記録が残っているので、今回はそれを紹介しましょう。

ウェブ上でホップの歴史について調べてみると、12世紀頃にドイツにあるルプレヒトベルグ女子修道院のヒルデガルディス院長という人が初めてホップをビール醸造に使った、と書かれているウェブサイトが多く出てきます。果たして本当でしょうか。

できるだけ一次資料に近いものに当たるべく、調べてみました。

どうやら、ホップを醸造に使ったということを記録していたのは、ルペルツベルク女子修道院のヒルデガルト・フォン・ビンゲンという人のようです。彼女は修道士であり、ビールも醸造していました。その彼女が書いた『Physica』という書物の「De Hoppho」(ホップについて)という項目に、

If you want to prepare beer from oats, without hops, cook it only with groats, ….
(ホップなしでオーツ麦からビールを造る場合は……)

という記載があります(原文は英語ではなくラテン語)。ここに「ホップなしで…」とわざわざ書いているということは、普段はホップを使っていると解釈できるのです。

※この『Physica』はアメリカで英語版書籍として販売されています。

その他、できる限り調べてみましたが、彼女が最初にホップを使ったという記載は見当たりません。ただ、少なくとも彼女はホップをビール醸造に使っていたことは確かです。彼女が生きていたのは1098年〜1179年。この頃にはある程度ホップが使われていたとみていいのではないでしょうか。

富江弘幸

ビアジャーナリスト・ビアライター

富江弘幸

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国に留学し、四川大学海外教育学院修了。帰国後は新聞社で書籍等の編集者に。現在はビアライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:『ビール王国』(ワイン王国)、『厳選世界のビール手帖』(世界文化社)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のクラフトビールが飲める120店』(エンターブレイン)など

Twitter:hiroyukitomie