今年収穫した国産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

鳥取の自然と対話しながらホップを育てる【鳥取・皐月屋】

宮原佐研子

ビアジャーナリスト/ライター 宮原佐研子

皐月屋がタルマーリーのホップを育てるのは今年2019年で4年目となります。

タルマーリーは2015年6月に鳥取・八頭郡智頭町に移住。千葉・いすみ市でスタートしたパン屋でしたが、2011年の東日本大震災を経験して中国地方への移転を決意しました。当初は岡山に引っ越し、それまでのパン作りに加え、念願であったビール造りをスタートさせようと動き始めます。が、様々な理由でそこでの継続を断念。その後、運命の糸に導かれるように移転したのが、現在の智頭町です。ここで、パンはもちろん、ビール造りも着実に軌道に乗り、ホップも地元の林業家皐月屋に委託して育てています。

圃場は2アール。年々株を増やしています


栽培している品種は、CASCADE12株、CENTENNIAL12株、信州早生24株の3種類です。
メインで作業を担当するのは皐月屋の小谷洋太さん。「発酵と地域内循環」の具現化を続けるタルマーリーのビールに使うホップを育てるため、自然栽培に向けて、将来的に適合するように栽培を進めています。

今年の作業は5月4日からスタート

タルマーリー

株分け作業

5月に入ると高温が続き心配もありましたが、皐月屋の主業との兼ね合いで遅めのスタート。通常は1〜2名で作業を行いますが、当日は皐月屋社員やその友人も参加し、総勢8名で株開きを行いました。

株開きをしたホップ苗の栄養になるようにと、山仕事の合間に採取した山土(黒ぼく土)を苗の周りに盛り付けます。

タルマーリー

黒ぼく土を盛り込む

5月11日には、土壌改良に、山林施業で出る端材「タンコロ薪」の燃焼後の灰を撒きました。

タルマーリー

杉、桧、針葉樹薪の木灰を撒く


タルマーリー

端材「タンコロ薪」


作業は年々効率的に進歩しているものの、年々厳しくなる酷暑や水不足などで栽培は順調とも言えず、今年から、黒ぼく土、木灰を入れ始めました。また、近年の酷暑を越すために、水田の水路から那岐山麓水の水をくみ上げています。

里山からの営みを人々の暮らしにつなげることを想い育む

タルマーリー

ホップの発芽。今年は降雨量が少なく、昨年より2日ほど遅れた

ホップ栽培経験はそれまではなかったという小谷さん。「家で水稲を1反半ほど、そして野菜を少し育てていますが、どの作物でもホップと同様に、どこまで手をかけるのが成果に繋がるか判らないのも難しい点だと思っています。同じ種類のホップでも数メートル離れると成長の差や色形が違う事や、また、雑草の有無、日照の時間、風向きなど土壌や気象条件も把握しつつ、作物の現実を見守っています」

収穫後のタルマーリーでの打ち上げを楽しみに、まめに畑に足を運び、月暦通りに草取りや水やり、収穫を行う予定とのこと。

地域環境への順応を願いつつ育てていくホップの今後。またレポートしていきます。

宮原佐研子
ビアジャーナリスト/ライター

ビアLover 宮原佐研子です。 ビールの大好きなトコロは、がぶがぶ飲める、喉こし最高、大人の苦味、世界中でも昼間でも飲める、 果てしなくいろんな味わいがある、そしてぷはぁ〜っとなれる、コトです。
ライターとして、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)/『うまいビールの教科書』(宝島社)/『クラフトビールの図鑑』(マイナビ)、ぐるなびグルメサイト ippin キュレーター など