今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

東日本の27ブルワリーにご参加いただきました 【ホップセミナー東日本2019レポート】

木暮 亮

木暮 亮

ホップがすくすくと成長し、収穫の季節が日に日に近づいているのを感じています。収穫を終えたホップは、様々な方法で保存されます。そのうちの1つである「凍結粉砕ホップ」を使った醸造方法の勉強会「ホップセミナー東日本2019」が、2019年6月27日(木)SPRING VALLEY BREWERY(以下、SVB)東京にて行われました。

ホップセミナーは今回で4回目。当日は、27のブルワリーが参加。開会の冒頭では一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会(以下、JBJA)代表の藤原ヒロユキ氏が挨拶。

「クラフトビールが世界的に注目を集めているなか、アメリカが鮮烈な香りと苦味を特徴とするホップを開発して用いることでアメリカン・ペールエールをはじめとするオリジナリティなスタイルを確立していったと思います。日本では小規模醸造がはじまって25年になりますが、世界を訪問した際にジャパニーズスタイルについて聞かれても答えられない現状があります」と日本のオリジナリティを生み出すために麦芽、ホップ、酵母といった原料から見直す気持ちから日本産ホップの普及をスタートさせた経緯を説明されました。

日本産ホップ普及への思いを話し、自身も与謝野町(京都府)でホップ栽培活動を行っているJBJA 藤原ヒロユキ代表。

続き「フレッシュホップフェスト(以下、FHF)についてのJBJA事務局より説明があり、今年は64ブルワリーの参加が決定。今後、さらに増える予定とのこと。

FHFについて説明をするJBJA事務局 松田敏樹氏。

その後、第1部としてキリンビールのホップ博士 村上敦司氏による粉砕ホップの特徴について講義が開かれました。

ホップについて講義をする村上博士。

村上博士のお話に一気にブルワーさんたちの眼差しが鋭くなりました。つくるプロフェッショナルである醸造家もホップ一筋で歩んでこられた村上博士のより専門的な講義に、メモを取ったり、資料の画像に撮ったりしながらホップを活かしたビールをつくるため真剣に聴講されていました。

ホップの専門家に日頃の疑問を聞ける絶好の機会ということもあり、積極的にブルワーさんたちからは質問が挙がった。

ブルワーさんからは香気付与技術であるディップホップ技術について質問がありました。今年は、この技法を取り入れたビールがつくられるのでしょうか?

第2部はSVBマスターブリュワーである田山智広氏が凍結粉砕ホップの使い方についてお話がありました。

講義をする田山マスターブリュワー。

講義は凍結粉砕ホップやペレットのように保存形態を変えて醸造してみるとどのように味や香りに変化が生じるのかをテイスティングをしながら進行。その違いにブルワーの皆さんは一つずつ確認をしながら聴講されていました。その後、取り扱う上での注意やどのようにしたらホップの特徴をわかりやすくビールに現すことができるかという質問が挙がりました。

それぞれの違いをテイスティングして確認。

セミナー後には、日本産ホップ推進委員会、ブルワー、ホップ農家の皆さんによる懇親会も行われました。

懇親会では、講義内で聞ききれなかった内容を質問するブルワーさんが多くいらっしゃいました。

感想をブルワーさんに聞いてみると「勉強になった」「面白かった」「刺激になった」という声のほか、「自分たちでホップを栽培しているが、ホップの活用法がわからなかったので参考になった」「ここまで教えてくれるとは思わなかった」「いろいろと試してみたい」と品質向上や新商品を期待する話を聞くことができました。

今秋、どんなフレッシュホップビールが登場するか期待が膨らみます。各ブルワリーの挑戦がジャパニーズスタイルの発展につながるはず。

村上博士や田山マスターブリュワーの話に出てきましたが、まだまだホップを活かすため様々な研究や実験が計画されているようです。最先端の情報をこうした勉強会を通じてつくり手に伝えられることで醸造技術の発展が期待できます。これをきっかけに日本のクラフトビールが多くの人たちに「美味しくなった!」と言われる日が来ると信じています。

フレッシュホップビールは、早いと8月ごろに登場するビールもあるようです。秋にはイベントの開催も予定されています。ホップ農家・ブルワリー・飲食店、そしてビールファンの皆さんとフレッシュホップビールを味わえる日が待ち遠しい。そのときは一緒に乾杯しましょう!

※ホップセミナー西日本は7月4日(木)に開催予定です(申し込みはすでに終了しています)。

木暮 亮

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは1500種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

日本ビアジャーナリスト協会ホームページにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。