今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

ふたこビールのホップ栽培の取り組み~地元を支え、地元に支えられる世田谷の地ビール~

松原 順子(MJ)

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー 松原 順子(MJ)

東京都世田谷区、二子玉川。住みたい街ランキングでも、常に上位に入る、人気のニコタマという街をご存知でしょうか。
世田谷でビールとホップを作っている、ふたこビールの代表、市原尚子さんにお話を伺いました。
ふたこビールが産声を上げたのは今から5年ほど前。地元の集まりで「二子玉川に無いものは、ゆるキャラと地ビール。地ビールを作ろう!」と、声が上がりふたこ麦麦公社が設立されました。これがふたこビールの始まりです。
それから委託醸造でオリジナルレシピによるビール醸造を続けてきたのですが、この夏、ついに免許が下り、自社のブルワリーでの醸造ができるようになったのです。

地元と創り上げるビール~世田谷ホッププロジェクト

5年前、ふたこビールの立ち上げ当初から始まった栽培は、地元の皆さんと一緒につくる「世田谷産のホップ」を作ること。それは世田谷ホッププロジェクトとして、ホップの苗をお譲りして、地元の人や、この地のビールを作ることに賛同してくれる方々と共に、家庭の庭先、ベランダなどでホップを作ってもらうように呼びかけました。そして、毎年一回、ビールの原料として収穫したホップを持ち寄ります。そして「自分たちの手で作られた材料の入ったビール」として、出来上がったビールを楽しむことができる。もちろん飲めるのは大人だけですが、子供達もそうやって、自分で世話をした作物からビールが作られることを意識し、地元の産業に関わることに楽しみながら参加することで大きな学びがあり、そういった地域の輪をつなぎ拡げていくことで、ふたこビールはより地元に愛されるブルワリーとして親しまれてきました。

とにかく興味をもってもらいたかった

市原さんは、クラフトビールを作るのに必要な原料として、大麦やホップというものが必要であることを知ってもらうことや、それらを共に作るという活動を経て、自らが関わることによって、より一層の興味を持つきっかけにしてもらいたいと考えています。大手ビールメーカーのものだけではなく、クラフトビールという存在があることを知ってもらうことから、ビールの啓蒙活動の一つとして行ってきました。
そして、それはふたこビールの専用ホップ圃場を持つことによって、更に大きな一歩を踏み出します。

世界一高い地価の、世界一小さなホップ圃場

世田谷区瀬田は閑静な住宅街。古くからのお家も多く、それこそお屋敷のような邸宅も珍しくない、いわゆる高級住宅街です。そこにふたこビールのホップ圃場があります。
もともと大きな邸宅のお庭で、菜園付きシェアハウスの計画があったそうなのですが、家庭菜園レベルでも畑仕事を通年でしっかり続けられる居住者がなかなかいなかったそうなのです。緑を残したい土地の所有者から、この恵まれた環境を有効活用できる人がいないか、という打診があり、ふたこビールがホップを育てることになりました。

ちなみに世田谷区瀬田のこのホップ畑付近の公示地価は645,000円(2019年)。仮にですが、有名なホップ産地の北海道富良野市の公示地価の平均は23,225円。ざっくり見積もっておよそ30倍です。(富良野市の市街地も含んでなのでホップ畑の地価としては正確なものではありませんが、瀬田の住宅街ももともとは農地の区分とはいえないのでおあいこでしょうか。)
この小さな小さな、そしてお高い土地での、いわば「都会のお嬢様」とも言ってよいホップ達は、どのようにして育てられているのでしょうか。
それはまた、次の機会にてお伝えしたいと思います。

松原 順子(MJ)
ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫と、リコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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