今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

202091(火)1130(月)

有機ホップ栽培・ナチュラリズムファームの夢は“究極の神戸ビール”

野田幾子

日本ビアジャーナリスト協会 副代表/ビアアンバサダー 野田幾子

「ナチュラリズムファーム」(株式会社ナチュラリズム)は、六甲山地の西側に位置する兵庫県神戸市西区で、オーガニック栽培による野菜や米作りに取り組む有機JAS認定の生産農家です。同社の代表取締役社長を務める大皿一寿さんは、「食」そのものを見つめ直そうと、サラリーマンを辞めて就農。2010年、妻の純子さんとともに創業しました。

ナチュラリズムファームの圃場。2020年4月22日撮影

「神戸産原料100%のビール造り」に惹かれて

農薬や化学肥料を一切使わず、年間約100種類もの野菜と米を栽培するナチュラリズムファーム。ホップ栽培に興味を持ったのは、神戸市中央区にある「インザドアブルーイング(IN THA DOOR BREWING)」の呼びかけで始まった「KOBE LOCAL BEER PROJECT」へ参画したことがきっかけでした。

「神戸の大麦・ホップ・水で醸造した『究極の神戸ビール』を、みんなで味わいたい!」として昨年クラウドファンディングを開始、今年の1月にはみごと、目標金額を大幅に上回る成果を得ています。ナチュラリズムファームが当初始めたのは二条大麦の栽培ですが、「神戸産原材料100%」ビールの醸造量を増やすため、今年から本格的にホップ栽培への取り組みを開始しました。

「KOBE LOCAL BEER PROJECT」発足時に造り始めた二条大麦「しゅんれい」。5月に収穫した。

どんな困難があろうと「オーガニック」の軸はぶれさせない

ナチュラリズムファームのホップへの取り組みは、今年で2年目。フレッシュホップフェストへの参加は今回が初となります。

圃場の広さは8a(800㎡)ほどで、ホップの品種はカスケード、チヌーク、スターリング、センテニアルの4種類。いずれもアメリカ産のホップで、インザドアブルーイングが造りたい「究極の神戸ビール」のイメージに合わせた指定品種です。

「他の野菜とホップはまるで勝手が違いますし、昨年は手探りで支柱も建てられず…。まさに『植えたたけ』の状態でした」と、大皿さんは1年目のホップ栽培を振り返ります。

通年で少量多品目の野菜をつくっていることもあり、ホップまではなかなか手が回らなかったそうですが、2年目の今年は、地域おこし協力隊の千葉涼さんがジョインし、ホップ栽培のメイン担当に就任しました。栽培にあたっては、遠野のホップ農家を訪ね、株開きを始めとしたホップならではの作業について指導を仰いだといいます。

ナチュラリズムファームのホップ栽培は、他の野菜栽培と同じく、もちろん化学肥料・農薬を使いません。

「ホップの成長過程で、さまざまな壁にぶつかるかもしれません。しかし、有機栽培がホップ栽培にとってどんなに困難な道であろうと、ナチュラリズムファームの軸が決してぶれないよう、しっかり取り組んでいきます」(千葉さん)

カスケード、2年目の株。2020年4月22日撮影

センテニアル、1年目の株。2020年4月22日撮影


*本記事の掲載写真はナチュラリズムファーム提供

DATA

圃場名:ナチュラリズムファーム
住所:神戸市西区玉津町二ツ屋286-1
Website:公式ホームページFacebook
栽培面積:8a(800㎡)
栽培品種:カスケード/チヌーク/スターリング/センテニアル
ホップ購入方法:外販なし

野田幾子
日本ビアジャーナリスト協会 副代表/ビアアンバサダー

ビールの美味しさや楽しみ方を伝えるビアアンバサダー/日本ビアジャーナリスト協会ファウンダー。2007年のビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』をはじめ、数多くのビールに関する本や雑誌の企画執筆、編集、構成を務める。 現在、ビールのペアリングに特化した著・監修書『ビールのペアリングがよくわかる本』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、監修したビアコミックエッセイ『恋するクラフトビール』(KADOKAWA)が大好評発売中。ビアイベント主宰、ビール/ペアリング講座企画開催、テレビ番組出演・企画協力も多数。