今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

202091(火)1130(月)

東京・狛江市「籠屋ブルワリー」と二人三脚で4年目の「小川農園」

野田幾子

日本ビアジャーナリスト協会 副代表/ビアアンバサダー 野田幾子

東京都狛江市の「小川農園」は、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ジャガイモ、サツマイモなどの栽培ほか、西洋ミツバチを飼育してはちみつを販売する農園です。同じ狛江市にある「籠屋ブルワリー」の依頼を受け、2017年からホップの栽培を始めました。

小川農園でツル上げを行う小川憲一郎さん。2020年5月22日撮影


籠屋ブルワリーは、「The Japanese Beer~和食に合わせる日本のビール~」をコンセプトに、2017年に誕生したブルワリー。1902年(明治35年)に創業した老舗の酒販店「籠屋 秋元商店」が設立しました。併設のレストラン「籠屋たすく」では、籠屋ブルワリーのビールや日本酒などと相性のよい発酵料理を提供しています。

地域が農業を支えるプロジェクト「狛江版CSA」が契機

「籠屋ブルワリーの計画段階から、地元の狛江産ホップを栽培してみようという話は出ていました」と、同ブルワリー 醸造責任者の江上裕士さん。実際にホップ栽培へかじを切ったのは、ブルワリー設立前年の2016年、循環型のまちづくりを目指す「狛江版CSA(地域が支える農業/Community Supported Agriculture)」の一環として始まった「狛江C.S.Ale(シー・エス・エール)」がきっかけでした。これは、狛江市民がホップを緑のカーテンとして栽培し、そこで収穫したホップを使ってフレッシュホップビールを製造・販売するプロジェクトです。

これにより狛江でもホップが育てられることがわかったため、籠屋ブルワリーは2016年の秋にホップ苗を購入、2017年春から小川農場でホップ栽培を始めました。圃場の広さは、約80㎡。アメリカンホップの「カスケード」を2株、「マグナム」「センテニアル」「チヌーク」、そして日本生まれの「ソラチエース」をそれぞれ1株ずつ栽培しています。

ホップ栽培は、今年で4年目。1年目はイギリス産の品種「ファッグル」や、ドイツ産の「テトナンガー」を栽培していましたが、生育状況を鑑みて扱う品種を整理しました。「今育てている品種は収穫期が長く、最適な収穫タイミングの見極めが難しい。また、収穫したホップの品質を評価・数値化する方法を取り入れたいですね」(江上さん)

テトナンガー、ファグル根の排除。2020年3月17日撮影

センテニアル株植え。2020年4月4日撮影

6月後半には毬花がついて大きくなりました。6月28日の週に収穫を考えているとのこと。これを「早摘み」として7月10日にフレッシュホップビールの仕込みを行います。8月には「狛江産フレッシュホップIPA(2020早摘みver.)」が、本収穫に来る狛江市民の皆さんに振る舞われる予定です。

6月21日撮影


昨年、「狛江産フレッシュホップIPA(2019早摘みver.)」がブルワリー併設のレストラン、籠屋たすくで提供されたのは、7月25日ごろでした。今年も、フレッシュホップフェスト参加圃場/ブルワリーの中では、かなり早い段階でのフレッシュホップビール提供開始となりそうですね。

狛江産フレッシュホップIPA(2019早摘みver.)

*本記事の掲載写真(記名以外)は小川農園/籠屋ブルワリー提供

■DATA

圃場名:小川農園
住所:東京都狛江市猪方
栽培面積:80㎡
栽培品種:カスケード/マグナム/センテニアル/チヌーク/ソラチエース
ホップ購入方法:外販なし

野田幾子
日本ビアジャーナリスト協会 副代表/ビアアンバサダー

ビールの美味しさや楽しみ方を伝えるビアアンバサダー/日本ビアジャーナリスト協会ファウンダー。2007年のビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』をはじめ、数多くのビールに関する本や雑誌の企画執筆、編集、構成を務める。 現在、ビールのペアリングに特化した著・監修書『ビールのペアリングがよくわかる本』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、監修したビアコミックエッセイ『恋するクラフトビール』(KADOKAWA)が大好評発売中。ビアイベント主宰、ビール/ペアリング講座企画開催、テレビ番組出演・企画協力も多数。